恋愛ウォッチャーが現場で見てきた恋愛模様から、『うまくいく恋』を分析するブログ

これまでに5,000組以上のマッチングをしてきた経験を持つ恋愛ウォッチャーのあんりさ。 幾多の男女の出会いを間近で見てきた筆者が、イマドキ男女の生態の違いや恋愛事情をお届け。

不安になるから愛せる?愛してるから不安になる?

ヒトは遺伝子レベルで、誰でも特定の誰かと親密になりたいという

欲求を持っている。

 

この欲求に対して人間は、

①自然に受け入れ親密になるための愛情を表現するタイプ

②「誰とも親密になれないのではないか」と考えるタイプ

③「誰かと親密になってはいけない」と無意識に抑制をかけるタイプと、

3つのタイプに分かれる。

 

 

この理論を「アタッチメント(愛情)理論」という。

 

ヒトは愛情を安心して受けられているかどうかをチェックする脳のシステム

を持っている。

 

これを、「アタッチメントシステム」という。

 

愛情へのニーズが満たされていないと感じると、アタッチメントシステムが

オンになり、恋愛やパートナーシップについて冷静に考えられなくなる。

 

例えば、

②不安になる人の頭の中ではどのようなことが起こっているのか?

②の人は、電話に出てくれない、LINEが既読にならないなど、ネガティブな

ことを言われるなど、の事象に対し、即座に、敏感に反応する。

 

「相手はもう自分のことを好きじゃないのかもしれない」

 

その時にアタッチメントシステムが発動するのだが、②の人たちは

「パートナーと親密さを取り戻す」ために、いろいろなことを考え、

行動を起こす。例えば、こんなことを考えるのだ。

 

 

・パートナーのことを考えて、他のことに集中できない

・相手の良いところばかりを思い浮かべる

・相手をむやみに尊敬する。

・自分の才能やスキルを過小評価し、相手のそれを過大評価する

・相手と連絡が取れるまで不安な気持ちでいる

・これが相手を見つける「最後のチャンス」だと思っている

・「自分は特定のタイプしか好きにならない。今の人とダメになったらも、もう次はないかもしれない」

・「新しい人に会うのは何年もかかるので、一生ひとりのままかもしれない」

・パートナーに不満があるのは当たり前だから、別れない方が良い

・相手はきっと変われるはず

・カップルは喧嘩をするもの。自分たちだけではない。

 

このような「パートナーとの距離を縮めよう」という考え方を、

「接近ストラテジー」という。

アタッチメントシステムが接近ストラテジーをとると、

これを目的とした様々な行動を起こすこととなる。

これを、「プロテスト行動」という。

 

この行動をしている時は、その人はもう冷静な状態ではない。

自分自身が不安を感じた時に接近ストラテジーをとるような傾向にある人は、

以下のような行動を始めたら、良くない傾向であることに客観的に気づける

ように努力をすると良い。

 

 

プロテスト行動の例

 

・親密さを取り戻そうと必死になる

→何度も電話やLINEをする。連絡を待ち続けたり、職場で待ち伏せたりする。

・わざと距離を置く

→相手を無視したり、相手がいるのに他の人と電話で話をしたりする。

・仕返しをする

→電話をかけてくれるまでどのぐらい時間がかかったを覚えていて、それと同じだけ相手をまたせようとしたり、相手が先に愛情を見せるまで無視しようとしたりする

・冷たい態度をとる。

→相手が話している時に顔を背けたり、席を立って部屋を出るなどする。

・「別れる」と脅す

→本気で別れるつもりはないのに「喧嘩ばかりでもう別れるしかない」「僕らの相性は良くない」「お互いに付き合うべきではなかった」「別れた方が自分にとって良い」などという

・偽装する

→忙しいふりをする、電話を無視する、予定がないのに「ある」と言ったりする

・嫉妬させる

→元カレ・元カノと会う約束をする、合コンに行く、誰かから好意を寄せられたことをパートナーに話す

 

 

こうした行動は、パートナーとの関係が解消した後にも続くという。

 

失恋から立ち直るのが遅い人というのは、②のタイプの人である可能性がある。

 

本来、パートナーがいる時には、気持ちが落ち着き、不安を感じないことが

良いとされている。

②の人たちは、アタッチメントシステムが作動している時に恋愛をしている

ことが多いため、

 

不安=愛情という錯覚

 

を起こしやすい。むしろ、一度手に入れたものに対する執着に近い。

 

今のパートナーとの関係で長い間不安を抱えている人は、アタッチメント

システムのオン状態が続きすぎている。

異常な状態なのである。

これは、その相手と自分が合っていないことを示している。

 

 

ちなみに③のタイプの人は、人と親密になることへの抑制がかかる。

 

「人と親密になりすぎた」と感じると、「離別ストラテジー」という考え方

が起こり始める。

 

離別ストラテジーは、相手と親密になりすぎないようにするための考え方や

言動のことだ。

 

例えば、

 

・パートナーとの関係について、「将来については何も考えられない」と

  言ったり考えたりするが、それでも付き合い続ける

・パートナーの些細な言動が気になり、それが原因で関係がうまくいかなくなる

・過去の恋人に執着している

・交際相手がいるのに、他の人といちゃつく

・相手に気持ちがあるかのようなそぶりを見せるが、「愛している」と言わない

・デートで楽しい時間を過ごした後に数日間連絡をしないなど、冷たい態度をとる

・不倫など、将来がない相手との関係にハマる

・相手が話をしている時に上の空で別のことを考える

・相手に話していない秘密がある

・物理的に距離を置こうとする

 

これらのことは、③の人たちがパートナーから自分の自由を奪われないために

起こす言動や考え方だ。

 

参考までに、③タイプと良いパートナーシップをとって行くためには、

次の3つが必要である。

 

  1. 相手に主導権をとらせ、自分はサポートに回る
  2. 相手が必要とする時にそばにいる
  3. 相手が自己肯定感を高く持てるように励ます

 

自分の好きな人やパートナーと上手に付き合うには、このような方法もある。

 

 

 

 

 

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恋と愛は、結局何が違うのか

 

恋と愛の違いを、「恋は下心、愛は真心」と聞いたことのある人は

多いだろう。

 

この言葉は確かに納得感はあるが、具体的になぜなのかは理由を

説明しづらい。

 

 

この違いについて、説得力のある説を唱える精神科医がいる。

 

ハーバード大学卒業後、心理臨床家としてアメリカの行政職を歴任した

精神科医、M・スコット・ペックだ。著書「愛と心理療法」の中で、

愛と恋の違いを唱えている。

 

 

[愛の定義]

スコットは、愛の定義を以下のように定める。

(わかりやすくするために一部筆者により変更した)

 

愛とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を拡げようと

する行為である。

 

彼は、精神科臨床における実際の観察を通して、愛は自他の

「精神的成長を目的とする行為」として定義づけた。

 

その目的が自分のためでも相手のためでも、自己の限界を拡げ成長することが

必要であり、相当の努力を要する。

 

努力とは自然にできるものではないので、愛は自然に起こるものではないのだ。

 

 

[恋とは何か]

 

一方で、スコットは恋は愛とは明確に違うものだとしている。

一般に広く信じられているのは、恋することは愛の一つの形だという信念だ。

人は恋に落ちると「彼(彼女)を愛している」という感覚を持つが、

先の定義を前提とすると、これには大きな2つの違和感があることに気づく。

 

 

(1)恋の体験は性と結びついた、エロティックな体験であること

自分の子供をどんなに愛していても、恋をすることはできない。

また、同性の友人に恋をすることもない(同性愛者などは除いて)。

意識的か無意識的かはともかく、性的に動機付けられて初めて我々は

恋に落ちる。

 

 

(2)恋の体験は一時的である

どんなに情熱的な恋をしても、それは永遠には続かない。

関係が長引くにつれて冷めてしまう。

恋愛体験の特徴である、うっとりするような愛しい感情はそのうち消える、

ということである。

 

 

[恋愛現象と大きく関係する「境界」とは]

 

「自我境界」とは、自己と他者の違いを区別する境界線のことを指す

心理学の用語である。自我境界が曖昧だと、人格障害が出たりすることで

知られている。

 

人間は、生後一ヶ月ぐらいまでは自分と自分以外のものを識別しないらしい。

新生児が手を動かすと、世界も動き、お腹が空いたら世界も空腹になるのだ。

だが、経験とともに自己と他者を別の存在として認識し始める。

自分の望み通りに母親が動いてくれないことを経験し、自分が全能でない

ことを知る。幼児は、自分の意思は自分のものであって周りの世界のもの

ではないと知るに連れ、自分と外界の区別をするようになる。

 

生後1年くらいまでには、自分の身体の器官、自分の五感、自分の考え、

自分の感じというものがわかるようになってくるという。

 

子供が2歳から3歳ごろになると、自我境界はより心的な部分で作られ、

自分の力の限界と折り合いをつけるようになる。

子供がおもちゃが欲しいと泣き喚いても、母親が買ってくれないというような

経験を通じて、今まで持っていた「自分の思い通りになる」全能感から、

「自分の思い通りにならない」現実を受け入れ、自分の無力感を知るのである。

 

青年期の中頃までに自分は身体的、能力的に限界があり一人では比較的弱い

有機体であることを知る。そして、自分は社会という仲間のグループと

協力して初めて存在しうることに気づくようになる。

この時、彼らは個人のアイデンティティ、境界ないし限界によって、

他から孤立し、孤独を感じるようになる。

 

 

[恋という現象は何なのか]

 

我々人間のほとんどは、孤独を苦痛と感じ、そこから逃れたいと思っている。

アイデンティティの壁から出て、外界ともっと融け合えるような状態に

逃げ出したいと思っている。恋をすることは、この逃避を可能にする。

 

一時的ではあるが、恋に落ちる現象の本質は、個人の自我境界の一部が

突然崩壊して、自分のアイデンティティと他者のそれと融け合うことにある。

自我境界が突然に崩壊し、それと共に孤独が劇的に終わりを告げる経験をする。

ただし、恋をすることは意志の行為ではなく、意識的な選択でもない。

 

スコットは、恋はいくつかの点で退行的な行為だという。

愛する人と融け合う体験は、一体感と共に、大人になるまでに諦めなければ

ならなかった全能感を一時的に呼び起こす。

恋をすると起こる「なんでもできる」「未来は明るい」

「どんな問題も克服できる」というような非現実的な感覚は、

本質的には自分はなんでもできると信じている二歳児と変わらない。

 

しかし、このような感覚も、幼少期の体験と同じく時間が経つに連れて

現実が入り込んでくる。

好みや考えが同一でないなど、自分と相手が一つでないことに気がつき、

うんざりする。

そのうちに崩壊した自我境界が元の位置に収まる。

そして、人は恋から冷めるのである。

 

この時点で、彼らは関係を解消するか、「本当の」愛の作業を始めるかの

どちらかを選択しなければならない。

 

以上を踏まえ、恋を下記のように定義したい。

 

自己を一時的に孤独から解放させる、性衝動と性刺激に対する

人間の本能的な反応

 

 

種の存続を高めるための性的結合の可能性を高めるための反応なのである。

 

 

結局のところ、恋と愛との違いは?

 

次の図は、恋と愛の違いをまとめたものである。

恋という反応、愛という行為そのものに対する違いなので、その結果を

示しているわけではないことを留意いただきたい。

 

結局のところ、恋と愛との違いを一言でいうと、

愛は、意志を持って初めて認識され、努力を必要とする「行為」

であるのに対し、恋は、意志とは関係なく発動し、努力を必要としない

「反応」であると言うことなのである。

 

 

 

 

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「恋人を欲しいと思わない」若者が増えている日本。そこから見えてくる、意外な社会的背景②

 

この記事は、「恋人を欲しいと思わない」若者が増えている日本。

そこから見えてくる、意外な社会的背景①の続きです。

 

 

前回、恋人を不要と考える若者たちを取り巻く社会的文化的背景には、

 

 

①「恋愛における男女不平等」への困惑を引き起こす、男女平等社会の弊害

 

②超高度情報化社会が引き起こす、恋愛の「既視感」

 

③バーチャルと現実の埋められない溝による「圏外感」

 

④リスク回避を第一とする、若者の「まじめ化」

 

 

 

 

の4つが関連しそうだと述べた。

 

 

 

①②については前回見てみたので、今回は③④を深ぼってみてみたい。



 

③バーチャルと現実の埋められない溝による「圏外感」

 

現代の若者は、メディアの影響により様々な恋愛シーンを疑似体験している。

ドラマや映画、漫画、アニメなどに共通するのは、恋愛の当事者は美男美女

であること。

 

おっさんやオタクを主人公にしたものも少なくはないが、ここで出てくる

おっさんもオタクも、現実世界とは異なりイケメン・かわいかったりする。

(メガネをとると美少女、とか、前髪をあげるとイケメン、みたいな

シチュエーションだ)

 

 

ところが、現実の自分は美男美女ではないし、周りにもそのような魅力的な

異性がたくさんいるわけではない。

 

ましてや、食パン加えて曲がり角で男の子とぶつかる、みたいな

シチュエーションはほぼないだろう。

 

 

 

和光大学の高坂は、

 

 

「美男美女が続出し、奇跡的な出会いやロマンティックなシチュエーション

が頻発するドラマやマンガの恋愛に多く触れていると、

自分はこのような素敵な恋愛が起こるような世界には入っていないという

感覚ー恋愛圏外感ーも生じていると考えられる。

 

そして、この恋愛圏外感が、若者に自分は恋愛に縁がない、素敵な出会いが

ないと思わせ、恋愛を諦めさせてしまうと考えられる。」

(「恋愛心理学特論」2016,福村出版)

 

 

と推察している。

 

 

高度情報化社会は、②の恋愛既視感や③の恋愛圏外感を抱かせ、恋愛への

意欲を低下させている可能性がある。

 

 

④リスク回避を第一とする、若者の「まじめ化」

 

前述の高坂は、4つ目の社会的な変化として、近年は若者の「まじめ化」

が指摘されるように、「青年のリスク回避志向の高まり」があると指摘する。

 

 

教育学の分野の研究結果では、

 

 

大学生については、アルバイトやボランティア活動、サークル活動にも

積極的に参加し、とにかくやれるものはなんでもやろうとする。

 

 

また、高校生の多くは、社会のルールや校則を守ることに肯定的で、ルールを

破ることをかっこいいと思う者は減少していることを示している。

 

 

(もしかしたら、不良は昔ほどモテないのかもしれない)

 

 

このような若者の「まじめ化」の背景には、バブル崩壊による長引く

経済不況やそれに伴う雇用情勢の不安定化、年金・医療などの将来に関する不安、

「自己責任」という言葉によって生じた社会不信などが挙げられる。

 

乗り遅れると大変なことになる時代や社会の中で、遅れをとらないために

真面目にならざるを得なかったと考えられている。

 

この点について、「ポストモラトリアム時代の若者たち」

(村澤ら、2012年、世界思想社)では、青年たちは漠然とした不安を

抱えながら、自分自身の未来をマネジメントしリスクを低減することに

忙殺されており、「果てなきリスク管理に忠実に従い、過剰なまでに

リスク社会に適応しようとする」と指摘している。

 

 

また、別の研究でも、現代青年は失敗をしないために、冒険をせず

与えられた課題だけをこなしていこうとするという指摘を受けている。

 

 

このような、真面目で、失敗やリスクを恐れ、遅れをとらないために

とりあえずなんでもやろうとする青年期、またその過ごし方を

「リスク回避型モラトリアム」というという。

 

 

リスク回避型の若者たちにとって、恋愛はリスクが高いものになる

ということも容易に想像がつくだろう。

 

 

そもそも恋愛は単純に楽しいだけのものではなく、多くのリスクやコストが

存在する。

 

  1. 好きな相手に告白をする際に生じる「フラれるリスク」
  2. 付き合った時に生じる「時間的・経済的・精神的コスト」
  3. 「別れるリスク」
  4. SNSの利用によって生じる「リア充と非難されるリスク」「個人情報の漏洩リスク」
  5. ストーカー、デートDV、リベンジポルノなどの「犯罪巻き込まれリスク」

 

などだ。

 

恋愛は、現実には多くのリスクやコストが存在する。そのため、リスクや

失敗を恐れるタイプの青年にとっては、恋愛はコスパが悪いと捉えられる

可能性がある。

 

 

以前、楽観予期型(恋人を欲しいと思わない若者は、どんなことを考えて

いるのか。その特徴は4つのタイプで説明できる。)の知人I(32・男)

はこう言っていた。

 

「今は特定の彼女はいらないんですよね。他の子とも遊べなくなるし、

コスパが悪いから。」

 

 

また、M(30・女)は、「早く結婚したい。将来のこととか不安だから。

恋愛よりも、そっちの方が大事かも」と言う。



 

以上のような社会的背景から、一部の人たちが恋愛を不要だと言う理由を

探ってみた。

 

 

昨今は、様々なタイプの恋愛シミュレーションゲームが流行っているが、

その理由も

 

恋愛を疑似体験でき、

恋愛の世界に参加でき(自分の選択に基づき、キャラクターが代わりに

動いてくれる。)、傷つかないからだ、と説明できそうである。

 

 

 

 

 

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「恋人を欲しいと思わない」若者が増えている日本。そこから見えてくる、意外な社会的背景①

先日の記事でも紹介をしているが、恋人を欲しいと思う若者が減っている

 

オーネットの新成人意識調査では、1991年では約9割のフリーの若者が、

いま恋人が欲しいとしているのに対して、2018年の新成人は76.5%と、

4人に1人のフリーな新成人が今恋人を欲しいと思わないと回答している。

 

 

恋人をいらないとする理由についてはいくつかの説がある。

 

①自分自身のアイデンティティを確立させるために、精神エネルギーを他に

使いたくないから

(詳しくは恋愛エネルギー理論を参照)

 

②幼い頃の経験から、人を頼ったり愛する・愛されることへの欲求が少ないから

 

③幼い頃の経験から、人から拒否されて傷つくことを極度に恐れているから

 

④異性の前だと萎縮してしまうから(ラブ・シャイネスという)

 

⑤自己充足個人主義(依存し合う関係を嫌い、可能な限り自給自足に努める

態度を示す人)だから

 

などとあるが、この説をそのまま見ても「恋愛をしない若者が増えた」

理由を見つけることはできない。

 

しかし、若者が恋人を欲しいと思わなくなる大きな理由として、若者が恋愛に

対して否定的なイメージを持っていることは、昨今の意識調査でも指摘

されている。

 

 

2009年に山岡拓が出した「欲しがらない若者たち」(日経新聞出版社)

の中では、「現在の20代後半の独身者は、30-44歳の既婚者が20代独身

だったときと比べて、恋愛によって「楽しい・幸福感が得られる」という

肯定的なイメージを持てておらず、一方で「お金がかかる」「面倒・煩わしい」

「自分の楽しみの時間が減る」というような否定的なイメージは、

20代後半の独身者の方が強く持っているという。

 

 

 

これらの理由を、昨今の社会の変化に触れながら見ていきたい。

 

その理由として考えられるのは、以下の4つである。

 

 

 

①「恋愛における男女不平等」への困惑を引き起こす、男女平等社会の弊害

 

②超高度情報化社会が引き起こす、恋愛の「既視感」

 

③バーチャルと現実の埋められない溝による「圏外感」

 

④リスク回避を第一とする、若者の「まじめ化」

 

 

それぞれかなりボリュームのある項になるため、今回は前半と後半に分けて

紹介をしていきたいと思う。



 

①「男女平等」という社会の中で育った若者たちの、

「恋愛における男女不平等」感への困惑

 

 

現代の男子青年は、男女平等という価値観のなかで育ってきた。

そのため、男ばかりが頑張って女を口説くということが理解できないという。

 

 

事実、これまで出会ってきた20代半ば~30代前半ぐらいの男たちには、

「最近は男が全ておごるのをいやがる女もいる」とか

「(合コンなどで)全部男のおごりはいやだから、

女にも1000円払ってもらう」などと言う者もいる。

 

(が、残念ながら「1000円だけ払う」というのは奢りはもちろんのこと、

3000円払うよりも評判が悪かったりする。)

 

 

インフィニティの社長である牛久保恵も、「恋愛しない若者たち」

(2015年、ディスカヴァー・トゥウェンティワン)野中で、

男女平等社会の中の男女不平等恋愛という矛盾が、若者、

特に男に憤りを生じさせ、恋愛しようという意欲を低下させているのでは

ないかと指摘している。

 

 

「恋愛心理学特論」の著者、高坂康雅も「男女平等という価値観をもつ

現代の男子青年は、男性が女性に積極的にアプローチをして、

告白し、恋愛関係に至るという男性主導の関係構築に抵抗があり、

そこまで男性ががんばらなければ恋人ができないならば、恋人は欲しい

とは思わないようになる」と述べている。



 

②超高度情報化社会が引き起こす、恋愛の「既視感」と「圏外感」

 

結婚の過程として恋愛を位置づけさせてきた日本は、恋愛に高い価値を

置いている社会である。それは、青少年が接する漫画やアニメ、映画、

ドラマ、歌などのメディアにおいても見ることができる。恋愛が主要な

テーマとなっているからだ。

 

 

このような環境の中、日本の若者は幼い頃から様々な恋愛を見聞きしてきた。

また、スマートフォンSNSの普及により、身近な友人や芸能人の恋愛まで、

多様な恋愛のあり方に接する機会を得ている。

 

 

これらを通じて、現代の青年の一部は、過剰なまでに恋愛に対する情報に

接してきた。

 

そうすると何がおこるか。

 

実際に自分では体験していない恋愛をあたかも経験したかのような

「恋愛既視感」が芽生える。

 

 

高坂は、マーケティングアナリストである原田曜平の、メディアが若者に

与える影響を以下のように紹介している。

 

「若者がマスコミやインターネット、口コミなどから過剰ともいえる情報を

受け取ることにより、経験したことがないのにどこかで経験したことがあるか

のように錯覚してしまう既視感を感じており、既視感によって、若者は

新しいことをしようとする意欲や動機が低下し、行動範囲がせまくなっている。」

 

 

恋愛にも同じようなことが起きると考えられると言えよう。





後半の二つは、次回で詳しく紹介したい。

 

 

 

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恋人を欲しいと思わない若者は、どんなことを考えているのか。 その特徴は4つのタイプで説明できる。

 

先日、福岡の女子大生Kと話をする機会があったので、彼氏の有無を

聞いてみた。K(21)は、

 

「いえ、いないです。というか、要らないんですよね。

彼氏作っちゃうと他の男の子と遊べなくなっちゃうから、

面倒じゃないですか。」

 

と答えていた。

 

また、東京でウェブのコンサル業をしている自営業の男O(32歳)も、

 

「うーん、あんまり恋愛は興味ないですね。興味がないというか、]

今は仕事の方が面白くて。

どうしても優先順位下がっちゃうし、そこにかける時間があったら

自分の時間をもっと作りたい。」



どちらも、今ドキの男と女といった感じである。恋愛経験もある。

しかし、彼らはいま恋人は要らないという。

 

一時にに比べると、恋人は欲しくない、恋愛は不要と考える若者が

増えているようなのだ。(2016年以降、持ち直してきているが)

 

それを裏付けるかのように、内閣府が発表している「結婚・家族形成に

関する調査報告書」の2011年と2015年の比較データにも、この傾向は見られる。

 

ここではそれぞれ、20代、30代の若者を対象に「今、恋人が欲しいですか?」

と尋ねている。

 

「いいえ」と回答した若者が、2011年には31.6%だったのに対して、

2015年では37.6%と、6%ほど大きくなっている。

 

これは、2015年時点でのオーネットが新成人に調査しているデータでも

同じような傾向が確認できる。

 

(余談だが、「恋人が欲しいという願望は、景気に左右されるのかもしれない)

 

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恋愛への意欲の低下は、政治的にも注目をされているようである。

 

国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、独身者の

異性交際状況に、それまでは入れていなかった「とくに異性との交際を

望んでいない」という選択肢を2012年から導入しだした。

 

では、ここ近年、25-35%の割合で存在する恋人不要族は、どのような特徴を

持っているのだろうか。

 

和光大学の高坂は、恋人を欲しいと思わない青年がそう思う理由を分析し、

次の2軸から4つのタイプがいるのではないかという仮説を立てている。



縦軸は、生活感情がポジティブorネガティブかどうか。

 

要するに、恋愛以外の生活を充実させていて、今の生活や将来に希望があるか

どうかということである。

 

心理学の世界では、恋人を不要と考えている人は、生活感情がネガティブに

なるというのが一般的であるが、「今は仕事や勉強を頑張りたい」

「趣味に打ち込みたい」などという人は、生活感情がポジティブだと言える。

逆に、将来に希望がなく、努力もせず、無気力で、自分だけの世界に浸り、

自分の意見が正しいと思っていて、コミュニケーションに自信がないような人は、

生活感情がネガティブと言えるだろう。

 

また、横軸は恋愛に対する準備性の有無。要するに恋愛をするにあたっての

心構えを持っているかということだ。

 

今回はわかりやすく、「経験の有無」という表現を使った。

 

 

 

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高坂によると、この2軸でマトリクスを作り、恋人を欲しがらない若者の

特徴をプロットすると以上のようになる。

 

 

・積極回避型…

現在、友人関係などで充実した生活を送ることができているため、

恋人がいることによる様々な負担を回避したいと思っている。また、

恋愛をすることや恋人を作ることの意義がわからないというタイプ。

恋愛は面倒臭いというイメージを持っている。

 

・楽観予期型…恋人はいずれできるだろうと考えているが、今は他の生活が

充実しているため、無理に恋人を作ろうとも思っていない。

また、恋人がいないことにも焦りを感じていない。

 

 

・引きずり型…

過去の失恋から立ち直れていなかったり、以前の恋愛でデートDVなど

辛い経験をしていたりするため、次の恋愛になかなか気持ちを向けることが

できないタイプ

 

 

・自信なし型…

恋愛をしたいと思っているものの、恋愛に対する不安ないもちが強く、

恋愛できないタイプ。自分に自信がなく、「傷つきたくない」という

気持ちが強い。

恋愛をすることのメリットよりも、傷つくことのリスクをとるため、

積極的にいかない。

 

これを見ると、「恋人が欲しくない」という若者は一概にネガティブなわけで

はないことがわかる。

充実しているからこそ恋人がいらないという理由もあるのだ。

 

恋人を欲しいとは思わない人に

 

「本当の恋をしたことがない」だとか、

「恋っていいよ」とか、

「本気で人を好きになったことがない」などと

持論を押し付ける人をよく見かけるが、そう感じるかどうかは本人次第。

大きなお世話、なのだ。

 

 

 

 

 

 

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恋愛エネルギー理論で、恋愛の疑問を解消する(2) 〇〇女が浮気をする率は男よりも高い!?20代の浮気と30代以降の浮気はこう違う!

※この記事は、恋愛エネルギー理論の総論をお読みいただいてから読むと、

より分かりやすくなります。

 

どこからが浮気か、というのは人によって定義が異なる。

辞書を引いてみると、

 

①男女間の愛情がうわついて変わりやすいこと。多情なこと。

  他の異性に心を移すこと(広辞苑

 

②配偶者・婚約者などがありながら、他の異性に気がひかれ、

   関係をもつこと(大辞泉

 

広辞苑は実際に「行動」の有無には言及していないのに対し、

大辞泉の方は「関係をもつこと」と、明言している。

 

どこからが浮気か問題は、男女差があったり、浮気をするのが自分なのか

相手なのかで変わることは、これまでの研究わかっている(菅原,2006)が、

「一般的には、キス以上の性的行為を行ったり、そのような性的行為を

することが推測されるような行動(「二人だけで一泊以上の旅行に行く」など)

を行うと、浮気と判断されやすいことが示されている。(高坂,2016)

 

 

以下のグラフは、相模ゴム社の調査結果だ。

結婚相手・交際相手がいる者のうち、「そのお相手以外にセックスする

相手はいますか」という問いに対して、

「特定ではないが、その相手以外ともセックスしている」

「複数の相手がいる」

「特定の相手が一名いる」のどれかに回答して者の割合の合計値である。

1万4100名を対象に行っている。

 

 

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また、大学生の浮気については、横浜国立大学の船谷らが2006年に行った

調査では、男子の19.7%、女子の22.5%は浮気経験があるとしている。

 

また、2012年に行った別の調査では、恋愛経験のある大学生・短大生のうち、

男子の16.3%、女子の18.4%は浮気経験があることが明らかにされている(牧野)

 

 

一方、アメリカの調査では、生涯を通じて、男性の20-40%、女性の20-25%が

浮気(婚外性交)をすると報告されている。

 

さらに、アメリカの大規模調査General Social Surveyによると、既婚者のうち

30歳以下では浮気率は男より女の方が高く(男が約7-15%、女は約15-18%)、

30歳を越えると男の方が女よりも高くなる(男は約15-35%、女は約5-15%)

ということがわかっている。

 

先ほどの大学生の浮気実態の調査と合わせて見ても、女は若いと男よりも

浮気をする率が高くなることがわかる。

 

一般的に、浮気は男の方がしやすいと言われている。しかし、このような

データを見ると、年代や既婚・未婚、浮気の定義や質問の仕方によって男が

多かったり女が多かったりするため、一概に、男の方が浮気をするとは言い難い。

 

加藤司が書いた『離婚の心理学』(2009年、ナカニシヤ出版)では、

夫婦関係における浮気の原因をまとめている。

 

①個人の要因②夫婦関係・夫婦生活に大別される。原因ごとに見ていくと、

 

①個人の要因

・個人のパーソナリティ

・結婚前の交際状況

・結婚年齢

・虐待経験

・避妊しない

 

②夫婦関係・夫婦生活

・結婚生活への不満

・妊娠

・パートナーの浮気

 

があげられるという。これらはアメリカの研究結果を元にした知見であるため、

日本ではどこまで適用されるかは不明である。

 

 

また、高坂は『恋愛心理学特論』(2016年、福村出版)内で、アイデンティティ

が確立している30代以降の浮気と、アイデンティティが未確立な青年期の

浮気とでは、その動機やメカニズムが異なるのではないかと唱えている。

 

 

ここから、恋愛エネルギー理論を使い、浮気のメカニズムを解明していきたい。

 

アイデンティティが未確立である人の浮気(主に青年期)

「青年期の恋愛はエネルギーの奪い合いである」という高坂の仮説に立つと、

そのメカニズムが見えてくる。

 

アイデンティティが確立していない、青年期の恋愛の目的は「アイデンティティ

形成のための精神活動のエネルギーを恋人から得ることであり、恋人は最大の

エネルギー供給源となる。

 

このようなエネルギー源を持っているにもかかわらず浮気をする理由は、

恋人がエネルギー供給源になっていないから。

 

恋人が愛情表現をしてくれなかったり、自分に関心を持ってくれないなど、

恋人からエネルギーをもらっている実感がないときに、近くにエネルギーを

持っていそうな異性を見ると、つい近づいてしまう。

 

ただし、恋人がいずれ自分にエネルギーを与えてくれるかもしれないし、

その相手と恋愛関係になれるかどうかもわからないので、恋人とは別れずに

浮気関係を継続する。

 

見方を変えると、浮気されるのは、浮気をされた側が相手にエネルギーを

与えていないからだ。

 

もちろん、浮気をする側にも問題はあるが、浮気をされた側も相手との関わり

方を改めた方が良いだろう。

 

 

アイデンティティが確立している人の浮気(主に30代以降)

30代以降では、浮気のメカニズムが男女で違ってくる。

 

(男の場合)

アイデンティティが確立している30代以降は、自分でエネルギー補給をすること

ができるので、恋人(もしくは配偶者)がエネルギーをくれないから浮気をする

と理解するのは無理がある。

 

30代以降既婚男は、アイデンティティが確立し、仕事や家庭もある程度余裕が

出てくるため、エネルギーが有り余っている状態である。

 

そのエネルギーを趣味などに使えている場合は良いが、他に使う対象がない場合、

エネルギーの不十分な異性に自分のエネルギーを与えようとして浮気をする。

 

 

夫婦問題調査室によると、不倫・浮気経験のある30代男の理想の浮気相手の

年齢で最も多かっ他のは20代。同年代と合わせると92%になる。

 

このように、エネルギーの提供先として、同年代以下のアイデンティティ

形成が不十分で、自らのエネルギーを十分に賄えていない者を選ぼうとしている

ことが伺える。

 

 

(女の場合)

女の場合は、不倫・浮気経験のある30代女のりそうん浮気相手の年齢で最も

多かったのは同年代であり、次いで40代、50代と年上が続く。

 

また、実際に不倫中の20・30代女の相手の71%は年上だというデータが出ている。

このように、女は浮気・不倫の相手として年上を選択する傾向にある。

 

高坂はこの結果について、男女のアイデンティティ形成時によるエネルギーの

使い方の違いが関係しているという。

 

恋愛エネルギー理論の総論でも触れているが、アイデンティティの確立時期では、

男は相手に対してエネルギーを10%しか使わない。

 

そのぶん、十分にアイデンティティの問題に取り組み、解決したことにより、

確立後は自分にエネルギーをほとんど使うことなく、パートナーや子供に多くの

エネルギーを使うことができる。

 

対する女は、男と自分とに50%ずつ使う。自身のアイデンティティ確立と

相手との親密性の主題を同時に進行させるか、場合によっては相手を優先するため、

自身のアイデンティティの問題に十分に取り組まなかったため、30代以降に

なっても、度々その確立に取り組まなければならない。

 

そのため、精神活動のエネルギーが必要になるのだが、男は長く連れ添った

パートナーにエネルギーを向けることが少なくなるため、女はより年上の、

エネルギーの余っている男を求める。

 

恋愛エネルギー理論で、若い頃は女が浮気をしやすく、30代以降は男が浮気を

しやすいという恋愛現象も説明が可能になるということは、面白い。

 

 

 

 

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恋愛エネルギー理論で、恋愛の疑問を解消する(1) 「優しい」「明るい・楽しい」「誠実」な性格が、理想の恋人像の上位に常にランクインする理由

 

※この記事は、恋愛エネルギー理論の総論をお読みいただいてから読むと、

より分かりやすくなります。

 

少し古いデータになるが、高校生を対象に「理想の恋人」を尋ねた

アンケートがある。(第一学習社,1991)

 

 

男子学生の回答は、

①やさしい人(77.6%)

②明るい人(58.6%)

③容姿の良い人(41.1%)

 

女子学生の回答は

①やさしい人(63.9%)

②楽しい人(50.3%)

③明るい人(33.9%)

 

だった。

 

マクロミルの調査(2009)によると、結婚相手を選ぶ時に重視する

条件について、

 

男の回答

①フィーリング・相性②優しさ③誠実さ

 

女の回答

①フィーリング・相性②誠実さ③収入・経済力をあげている。

 

また、20代・30代の未婚男女に好みのタイプや重視するポイントを

聞いたところ、以下の結果となり、ここでも優しい、誠実はいずれの

年代にしても比較的上位に位置している。

 

 

 

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和光大学の高坂は、この類の調査結果に共通して①優しさ・思いやりがある

②明るい・楽しい③誠実さ④頼りになる・心が広い」という要素が、

理想の恋人や結婚相手に挙げられていると指摘している。

(高坂『恋愛心理学特論』, 2016, 福村出版)

 

 

では、これらの特徴は、なぜ恋人や結婚相手として望ましいとされて

いるのだろうか。

 

恋愛エネルギー理論を使って、この謎を紐解いていきたい。

 

 

【前提】

恋愛エネルギー理論によると、エネルギーは物理の世界と同様に、

予め本人が扱える総量が決まっている(質量保存の法則と同じ)。

 

相手にエネルギーを使えば、その分自分の中に残っているエネルギーが

減ってしまう。

 

特定の相手と恋愛関係を築くには、このエネルギーの交換

(与えたり、与えられたりすること)をバランスよく行う必要がある。

 

 

 

恋愛エネルギー理論の総論でも述べているが、アイデンティティ

確立していない人は、このエネルギーを自分のために使うのが精一杯で、

相手に向ける余裕がない。

 

相手から「エネルギーをいかにたくさんもらうか」ということが重要に

なってくるため、特に青年期の場合の恋愛は「エネルギーの奪い合い」

(高坂『恋愛心理学特論』, 2016, 福村出版)となる。

 

相手からのエネルギーをできるだけたくさん受け取るために、様々な戦略や

テクニックが必要となる。

(これが、いわゆる「駆け引き」というものなのだと、筆者は考える)

 

以上のことを踏まえると、4つの項目が理想の恋人・結婚相手の特徴として

挙げられる理由が見えてくる。

 

 

【優しさ・思いやりがある】

前述したように、アイデンティティが確立していない時期(青年期)の恋愛は

相手とのエネルギーの奪い合いである。

 

となると、答えは簡単で、優しさや思いやりのある人は、エネルギーに余裕が

あり、時運にエネルギーを与えてくれそうな人だから。

 

自分のことを気にかけて、愛情表現や賞賛の言葉をかけてくれて、自分の

ことを傷つけない。

 

最初から自分にエネルギーを与えてくれるような人だから、エネルギーを

獲得するために駆け引きやテクニックを使う必要もない。

自分がエネルギーを使わなくても、相手は使ってくれる。

 

だから、優しい人は好まれるのだ。

 

 

 

【明るい・楽しい】

同じように、明るかったり、楽しかったりするような社交的で外向的な

性格の人は、エネルギーをたくさん持っていそうだと思われる。

 

エネルギーが少ない人よりも、多い人の方が自分に与えてくれるエネルギー

の量が多いだろう、そう思うのだ。

 

外向的で活発な人ほど、エネルギー量が多いように見られるため、

魅力的に感じる。

 

精神的に発達していない小学生や中学生などでは、相手の内面を推し量ること

ができないため、スポーツができる子、頭の良い子、学級委員などの目立つ

ポジションにいる者を「エネルギーがありそうだ」と感じるという。

 

不良がモテるのもまた同じ理由。学校や親に対して反抗したり、喧嘩したりなど、

エネルギーが有り余っているように見えるため、憧れや好意の対象となる。

 

 

 

【誠実】

この要素は、エネルギーの多寡の問題ではなく、どの程度確実にエネルギー

をに与えてくれるか、という観点で見られる。

 

誠実な人を恋人にした場合、他の相手に関心を向けることはなく、

自分だけにエネルギーを向けてくれる。

 

そうでない人は、他の異性にエネルギーを向ける危険性が考えられる。

 

上述のクロスマーケティングの調査では、男よりも女の方がこの項目を

重視しているようだ。

 

余談だが、女が男の浮気を嫌がる理由について、仮説を話してくれた

経営者がいる。

 

上場企業の社長を務める彼曰く、

 

「女は原始の時代、男が狩でとってきた獲物を分け与えてもらっていた。

男が持つ家が一つならその獲物は100%だが、2つなら50%、3つなら3分割になる。

子供を育てるためにできるだけたくさんの資源を確保したい女は、

当然ライバルが増えるのを嫌がる。

それが遺伝子的に現代にも根付いているんじゃないか」

 

恋愛エネルギー問題も、これに似ている。

 

 

 

【頼りになる・心が広い】

このような人は、まさにアイデンティティが確立し、自分のエネルギーは

自分で供給でき、エネルギーに余裕がある人だと考えられている。

 

オーエムジーの調査(2001)によると、もともと青年は年上の異性に

魅力を感じやすく、男の86%、女の97%は、理想の恋人の年齢を

同年代以上としている。

 

「年上の恋人が良いとされる背景には、自分よりもアイデンティティ

確立しており、エネルギーに余裕のある人から、エネルギーを分け与えて

もらいたいという思いがあると考えられる」(高坂)

 

尊敬できる、自分を持っているなどの特徴も、ここに当てはまりそうだ。

 

 

以上から、①優しい・思いやりがある②明るい・楽しい③誠実④頼りになる

・心が広いというような特徴が好まれるのは、本質として以下を兼ね

備えているからだと推測できる。

 

・エネルギーを与えてくれる

・エネルギーをたくさん持っている

・エネルギーの与える先が自分だけ

・エネルギーを自分で供給できる

 

これのいづれかの特性を持つ性格であれば、恋人や結婚相手として望ましい

性格の持ち主である、ということが言えるのだろう。



 

 

 

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