恋愛のあんな疑問もこんな疑問も解決できる、たった一つの理論ー恋愛エネルギー保存の法則とは?-総論-
・なぜ、優しい人や誠実な人がモテるのか。
・なぜ、子供の頃はスポーツが得意だったり学級委員をしていたりするなどの目立つ子がモテるのか。
・重い恋愛になってしまうのはなぜなのか。
・気になる相手と付き合いたい時にアピールするべきことは、結局のところ何なのか。
・家庭がうまくいっている安定した人でも不倫をしてしまうのはなぜ?
・モテたい/恋人が欲しいと思っていない時に限ってモテるのはなぜなのか。
・惚れた方が負け、というのはなぜ?
こういった疑問を解消する原理となる理論が、恋愛エネルギー理論
というものである。
今回も、アイデンティティ理論が大いに関係するようだ。
以前、恋愛関係が長く続かないのは
という主旨の記事を書いた。
ここでは、エリクソンが提唱している「アイデンティティ理論」をもとに
研究した、青年心理学を専門とする大野久の理論を紹介している。
大野は、アイデンティティが確立していない青年は自分のことで精一杯で
相手のことまで考える余裕、つまり愛する余裕がないという。
つまり、「『自分は愛されたい。でも、相手に愛のエネルギーを使う
余裕はない』という状況」(大野,2010)である。
相手にエネルギーを使うというのは、「好きだよ」という愛情表現をしたり、
相手が喜ぶ何かをしてあげること。
例えば、ちょっとした変化に気づいて「新しい髪型が似合っているね」
「今日の服装いいね」などと褒めてあげること。
「相手からの賛美や賞賛を求めたい」という欲求に応えてあげている。
青年期の恋愛は、当人たちのアイデンティティが確立されていないことも
少なくなく、相手にエネルギーを与えるのではなく、お互いに相手の愛を求める
「エネルギーを奪い合う恋愛」となってしまうという。
そのため、エネルギーを一方的に相手に与え続けるような付き合いは、
エネルギーを与え続けている側にしてみれば、不安や不満、疲労感を
感じるようになり、関係は終息に向かってしまう。
逆にいうと、両者が十分なエネルギーを相手に与え、もらう関係ができると、
その付き合いは長く続くということなのだ。
では、ここで何度も出てくる「エネルギー」とは、一体何なのか。
エリクソンや大野は、これについて明確な定義を出していないが、
高坂は『恋愛心理学』(2016年,福村出版)において、恋愛エネルギーは
リビドー(フロイトが提唱した、生の本能としての性的エネルギーであり、
増大減少する量的な概念)だと述べている。
「生きるために必要な精神エネルギー」とでもいっておこう。
リビドーは、自分自身に向けられたり、対象(家族や恋人、子どもなど)
に向けられたりと、固着したり移動したりする。(リビドー備給という)
そして、自己に向かうリビドー(自我リビドー)と他の対象に向けられる
リビドー(対象リビドー)は、一方が増加するともう一方が減少する
という関係にある。
これを恋愛関係に置き換えると、自分に向けるリビドーを減らし、
恋人に向けるリビドーの量を増やしているという状態になる。
そのため高坂は、リビドーについて「物理学でいうエネルギー保存法則的な
考え方ができrエネルギー経済論的概念としても扱われている」
(『恋愛心理学特論』p.104)と、紹介している。
では、相手からエネルギー(=リビドー)を向けられると、向けられた
側はどのように感じるのだろうか。
高坂は、恋人からもらうエネルギーは、精神活動のエネルギー源となり、
自尊感情も感じ、努力に目を向けられるようになると考えられているという。
つまり、恋人から愛のエネルギーをもらうことによって、自信がつき、
やる気も出て、努力をしようと思える。
長く続く恋人は、リビドーを与え、受け取るというのをバランスよく
やっているのだ。
ちなみに、大野は青年期においては、男は自身の問題に9のエネルギーを、
相手に対して1のエネルギーしか使わず、女は自身にも相手にも
同じぐらい使うと、エネルギーの使い方に関する男女差について述べている。
(高坂は、このことがアイデンティティ確立期以降のカップルや夫婦の浮気
や不倫問題と関係するのではないかと言っている。)
相手に与える愛のエネルギー移動(リビドー備給)は、エネルギー保存の
法則と同じ考え方ができるというのは興味深い。
そして、恋愛エネルギー保存の法則にかかると、恋愛のいろんな疑問が
解消されるというのも面白い。
今回は、この理論の全体像を紹介した。
恋愛が持つ個々の疑問や問題についてどのように応用されていくのかを、
複数回に分けて紹介していきたい。
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恋愛依存は●性の方がなりやすい!?恋愛依存における男女差。
恋愛依存症と聞いて、どんなものを思い浮かべるだろうか。
・恋人から不条理な仕打ちを受けても別れられない人
・ワンナイトを繰り返してしまう人
・恋人に対して過剰な干渉や束縛をしてしまう人
・浮気がやめられない
・相手が振り向くと飽きてしまい、追いかけている恋ばかりしている
など、思い浮かべればきりがない。
恋愛依存症は対人関係に対する依存で、アルコール依存やドラッグ依存の
ように目に見える統一された症状は表れづらい。
下位概念として、①共依存、②ロマンス依存、③回避依存、④セックス依存
が位置付けられていて、恋愛・ロマンス・恋人・セックスなどが依存の対象となる。
久留米大学の伊福・徳田は、恋愛依存症の精神分析をした研究者メロディーが
提唱している特徴から、恋愛依存症を次のように定義づけている。
「一人でいることやパートナーがいないことに耐えられず、
恋愛関係・親密な友人関係にある異性に
過度に執着・依存しその人のために尽くす、
あるいは見捨てられることを恐れ
自己犠牲的な行動をとっている状態」
恋愛依存症となってしまえば病気だが、ほとんどの人間は程度の差はあれ
恋愛依存の側面を持っている。
伊福らは、恋愛依存を4つの要素に分け、男女でどのような違いがあるのかを
調べている。
福岡県内の大学生・青年期の社会人272名(男115名、女157名)を対象として、
以下のような質問36題に回答してもらった。
質問は「非常に当てはまる」「やや当てはまる」「どちらともいえない」
「あまり当てはまらない」「全く当てはまらない」の5段階で回答する。
また、質問の初めに1名異性を思い浮かべてもらい、その人との関係
(恋人、友人、好きな人など)を記入してもらった。
この調査では、これらの回答結果について、以下の4つの要素がどう関わって
いたかを男女別に分析している。
- 愛情希求
質問1-6の関連が高かった要素。
相手に対し、無条件的な受容や愛情を求める傾向。
- パートナーの心理的支え
質問7-10の関連が高い。
相手の存在によって自身の成長や向上を図ることができる。
- パートナー中心
質問11-14の関連が高い。
自身よりも相手のことを優先させ、相手が中心となる。
- 孤独への怖れ
質問15-19
パートナーとなる相手がいなくなることへの寂しさや一人でいることの不安、
地震への無価値感
ちなみに、恋愛依存には互いに支え合い、ポジティブな相互作用をもたらす
「良い依存」と、自身の安心のために相手をコントロールしようとし、
結果苦しむことになる、「悪い依存」がある。
ここでは、Bは「良い依存」、A,C,D は場合によっては「悪い依存」と
関係する項目になるのだと推察される。
これらの調査から、次のことがわかってきた。
【男女間の比較】
- 女と比べると男の方が、恋愛依存傾向が高い
- Aは女が強い傾向を持ち、B,Cは男の方が傾向が高い。
- 男は、相手がいなくても寂しさや孤独感を感じることが女よりも少なく、一人の時間を大切にしようとする。
しかしパートナーができると、相手を心の支えにしつつも相手の頼みに
自己犠牲的に応えようとする傾向が強い。
- 男は、女に対して「自分だけのものであってほしい」という恋人に対する独占的な依存が見られる
- 女は、恋人と共に行動したり、一緒に過ごすなどの目に見える形での依存的態度・行動が多い
- 女は男と比べて、「常に自分を受け入れ、味方になってほしい」という無条件的な受容や承認を求める傾向が強い
男の方が恋愛依存が強いというのはやや驚きだ。
恋愛依存といっても、男はパートナーそのものに依存し、女は寂しさや
不安に依存するなど、対象や傾向が様々ということは面白い。
恋愛依存については別途、もう少し深掘ってみようと思う。
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あなたの恋愛は、「恋」より?「愛」より?現在進行形の恋愛がわかるチェックリスト
これまでの恋愛心理学は、「恋愛における個人の価値観や特性」
に関する研究が多い。
そのため、概論になりやすく、「今進んでいる二人の恋愛関係」という
二者関係のあり方を捉えるのには向いていなかった。
2015年、和光大学の高坂康雅は現在進行形の二人の恋愛のあり方がわかる、
恋愛様相尺度を発表した。
高坂によると、「恋」と「愛」は質の異なる、相反する状態であるという。
恋には、相対性、所有性、埋没性が、愛には、絶対性、開放性、
飛躍性という3つの特徴がそれぞれある。
これらは、
【恋】 【愛】
相対性 ー 絶対性
所有性 ー 開放性
埋没性 ー 飛躍性
と、それぞれ対比している。
少し詳しくみてみると、
【恋】
- 相対性:相手を他の人と比較したり、自身の条件に合致しているかで評価すること
- 所有制:相手を物理的・時間的・心理的に占有し、相手の精神的なエネルギーを常に自分に向けたままにさせようとすること
- 埋没性:生活や意識の中心が相手や相手との関係になり、相手や相手との関係以外の物事に対する関心や意欲が低下すること
【愛】
- 絶対性:相手の欠点や短所も含めて、相手の存在そのものを受容し、認めること
- 開放性:相手の幸せや成長のために自身の精神的なエネルギーを与えること
- 相手や相手との関係を基盤として、それら以外のものにより一層興味や関心が増し、朝鮮や努力をすること
一見相反する恋と愛だが、これらを明確に分けることができない。
恋と愛が渾然と存在している状態が、「恋愛」なのだという。
(この理論を、恋愛の二元的一元性論というらしい。)
以下の質問に回答することで、今付き合っている相手との関係性が、
恋の要素が強いのか、愛の要素が強いのかがわかる。
今、付き合っている人がいない場合は、直近まで付き合っていた相手との
交際期を思い出しながらチェックをしてみると良いかもしれない。
全部解き終わったら、次のグループごとに合計点数を出し、グループの
項目数で割ってほしい。
グループA:1,4,7,10,13の合計点数÷5
グループB:2,5,8,11,14の合計点数÷5
グループC:3,6,9,12の合計点数÷4
下図のように、それぞれで出た数値を結んでできる三角形が、現在の恋愛関係
の形となる。
それぞれの得点が高いほど、恋愛関係が愛の方向に進む。アイデンティティや
親密性が形成されるほど、愛の方向に進みやすい。
裏を返せば、交際期間や年齢が高いからといって、その恋愛関係が愛に向かうとは
想定されていない。
ちなみに高坂は、この質問を18歳~34歳の恋人のいる未婚者750名にこの
アンケートに実施した。
その際に算出した、年代、性別ごとの平均が以下となるので、自分の結果と
見比べてみてほしい。
高坂はさらに、恋人のいる大学生を対象に、1年後の恋愛関係について交際の
継続/終了を予測した。
1年後、恋愛関係が継続していたカップルの方が、終了していたカップルよりも
「相対性ー絶対性」得点が高いことがわかっている。
高坂は、恋愛関係を継続する上で「恋人を自分の理想や他の異性と比較する
のではなく、欠点などがあったとしても恋人をありのまま受け入れること」
が重要だと述べている。
今の恋愛は「恋」なのか「愛」なのか。
恋愛関係を継続していきたいのであれば、相手との恋愛の仕方について
今一度振り返ってみるのも一つだ。
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今、パパ活が熱い!? パパ活市場高騰のウラ事情と、ギャラ飲み案件
「Pairsはパパ活にめちゃめちゃ使われている」
数年来の知人である経営者のおじさん2名とランチをしていた時のこと。
50代前半のおじさんAが教えてくれた。
おじさんA「俺の周りの金持ってる経営者友達はみんな使ってるよ。
女の子たちもその目的で使うらしい」
おじさんB「でも、ご飯行くだけで2万とか高いよな。最近高くなったよな」
筆者「パパ活市場が高くなったってことですか?」
おじさんA「そうそう。2万払って手を握ろうものならめっちゃ怒られる、
みたいな」
おじさんB「飯だけ行ってセックスもできずに何万も払うの馬鹿馬鹿
しいよなあ。セックスするのは30万とか40万とかかかるらしいんだわ」
おじさんA「前はアングラ的な商売だったのが、最近はかなりオープンに
なってきてるからね。そういう影響もあるのかもよ」
おじさんたちのえげつない話を聞きながら、最近パパ活案件をよく目にする
ことを思い出した。
東京には、容姿に自信のある女たちのLINEグループが存在する。
(自薦か他薦かは不明)
ここには、フリーモデルや売れていない芸プロ所属のアーティスト、
港区女子的な人たちがわんさかいる。
年齢は20代から30代。中には年齢不詳の人もいる。(怖くて聞けない)
グループは一つや二つではない。
オーディション情報や仕事の出演案件をメインに扱っているところもあれば、
飲み会募集用に使われるものも存在する。
そういうトークルームに、こういった案件が舞い込んでくる。
明らかにセックスがあるとわかりやすいものから、そうでないものまで様々。
そして、こういった案件に対して、実際に女たちのエントリーがある。
興味深いのは、この案件を送っているのが若い女だということ。
そして、それに反応するのも若い女だ。
おじさん経営者が言っていた「オープンになった」というのは、
まさにこのことなのだろう。
一般の女が身体を売ることに抵抗がなくなり、斡旋をすることにも
抵抗がなくなった。
当人は様々なリスクを承知でやっているのだろうが、身体を資本とみなし、
それを元手に金を稼ぐ姿勢はドライに感じる。
一方で、もっと軽い「ギャラ飲み」というものも存在する。
1:1を基本とするパパ活とは違い、こちらは複数名で参加できるギャラ
飲み案件だ。
お酒が好きでノリが良く、容姿に自信のある女であれば気軽にお小遣い稼ぎが
できる案件。
どちらのメッセージも特徴的なのは「写真を添えてください」というもの。
やはりこの業界は、「容姿が価値」なのだ。
余談だが、世界的に見て日本人の女はこの世界での市場価値が高いらしい。
マカオなどにいるコールガールは、国籍によって金額が違うという。
アジア市場だと、日本>韓国>中国の順で額が変わるそうだ。
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恋愛の手段化!?付き合っても長く続かない人は、〇〇〇〇〇〇〇〇のための恋愛をしているから
せっかく付き合ったのに長続きしないというアラサー男女は少なくない。
付き合う人数は多いのに、3ヶ月も続かずに終わってしまう。
しかも、振られるのではなく振ってしまう。もしくは別れたいそぶりを見せる。
半年以上付き合いが続いた経験がない人も少なくない。
すぐに別れてしまうのは何故なのか?
その答えを紐解くカギが、「恋愛心理学特論」
(高坂康雅、2016年、福村出版)に眠っていた。
高坂は、恋愛に関する心理学的研究のほとんどは青年
(心理学では中学生から22歳ぐらいまでの時期を指す)を対象としているという。
そのため、「本来であれば、青年期特有の心理状態あるいは自我発達も
考慮されるべき」とし、「アイデンティティのための恋愛」という理論を
紹介している。
この恋愛理論は、前提として「アイデンティティとは何か」がわかって
いないと理解しづらい。
少し小難しい話になるが、アイデンティティについて触れておきたい。
広辞苑第7版より
アイデンティティ(identity):※ここでは①の意味
①人格における存在証明または同一性。ある人が一個の人格として
時間的・空間的に一貫して存在している認識をもち、それが他者や共同体
からも認められていること。自己同一性。同一性。
②ある人や組織が持っている、他者から区別される独自の性質や特徴。
アメリカで最も影響力のあったとされる精神分析家エリクソンは、
「<自分自身の内部の斉一性と連続性(心理学的な意味における自我)
を維持する能力>が
<他人にとってのその人が持つ意味の斉一性と連続性>と調和するという
確信から発生する」と述べている。
斉一性とは、立場や役割によってたくさんの「〇〇な私」が現れるが、
それらを全てひとまとまりにして「自分は誰ともとって代わることのできない
独自の存在である」と感じる感覚である。
連続性とは、過去現在未来のどの自分も同一の自分であり、連続した
「私は私である」という感覚だ。
この斉一性と連続性が、自分も他人も認めている確信が持てる状態が、
アイデンティティが確立しているという状態なのである。
青年期には、アイデンティティの確立に向け、様々な役割を経験し、
自分の人生や生き方について模索をする。
この状態を「モラトリアム」という。
モラトリアム期には、不安や焦り、迷い、劣等感、自己嫌悪など、否定的な
感情を強くいだきやすい不安定な時期だ。
そこで、青年は「心の拠り所として異性や恋人を求めるように
なるのである」(高坂)
エリクソンは、この時期の恋愛関係と心理状態の関連について
「青年期の恋愛は、その大部分が、自分の拡散した自我像を他人に
投射することにより、それが反映され、徐々に明確化されるのを見て、
自己の同一性を定義づけようとする努力である」
と言っている。
わかりやすくいうと、青年期の恋愛は、異性や恋人に好きだと言われたり
認められることによって自信を持ち、自分の不安定さを補強しようとする
ものだということ。
アイデンティティの確立のための恋愛だから、
「アイデンティティのための恋愛」なのだ。
この理論を受け、立教大学の大野久教授は、アイデンティティのための恋愛を
「親密性が成熟していない状態で、かつ、アイデンティティの統合の過程で、
自己のアイデンティティを他者からの評価によって定義づけようとする、
または補強しようとする恋愛的行動」と概念化している。
大野は続けて、「アイデンティティのための恋愛」の特長を発表している。
①相手からの賛美・賞賛を求めたい
自分のアイデンティティに自信がもてない青年は、相手からの賞賛を
自分のアイデンティティの拠り所にしている。
具体例:
「会うたびに、『私のこと好き?私はあなたが好き』、『俺のこと好き?
俺はお前のことが好きだ』なんて言ってました。」
②相手からの評価が気になる
①の理由から、相手から賞賛し続けてもらわないと不安になる。
だから、自分に対する相手の評価が気になる。
具体例:
「電話してもデートしても、いつも私に『俺のこと好き?』とか
『どこが好き?』と、私が彼のことを好きかどうか確認するのです。」
③しばらくすると、呑み込まれる不安を感じる
自分自身に一定の自信が持てない状況で人と仲良くなろうとすると、
相手が自分の心の中に入り込んできたり、相手に取り込まれ自分がなく
なるように感じて息苦しいような感じがする。
具体例:
「一緒にいても、私が私でないような、仮面をかぶっているような状態。
会話というものができず、呑み込まれるような不安、沈黙、緊張……」
④相手の挙動に目が離せなくなる
相手から嫌われることが、単なる失恋に止まらず、自身の基盤が
揺さぶられる経験となり、大きな不安と混乱の原因となる。
具体例:
「今の彼氏に振られたら、もう誰も私のことを好きになってくれな
いんじゃないかとか、一生恋人が作れないんじゃないかと思いました。」
⑤交際が長続きしない
①から④を見るように、「アイデンティティのための恋愛」をしている人は、
関心が相手ではなく自分自身にある。だから、本当の意味で相手を愛している
わけではない。
そのため、相手を幸福な状態にしようという努力や気配りをすることが難しい。
具体例:
「相手が忙しくなってしまって、会ったり話したりできなくなったら、
色々と不安に思うようになりました。あまりみっともない私を見せたく
なかったという理由で、私からなんとなく別れることをにおわせてみました。
すると、『嫌いになったんじゃなくて、重たくなったんだ』と言われました。」
これらの研究は「青年期」の心理状態を元になされている。
しかし、歳を重ねてもこのようなことに身に覚えのある人はいないだろうか。
青年期の過ごし方によって、アイデンティティの確立の可否は変わって
くるだろう。
アラサーになろうがなんだろうが、アイデンティティが確立していない人は
意外といるように感じる。
恋愛に悩んでいたり奥手な男女には、
「相手の反応が気になって自分らしく振る舞えない」
「思い返すとあまり相手のことを考えられていなかった
(自分の願望を相手に押し付けていた)」
「すぐに不安になってしまう」という悩みを持つ人が多い。
アイデンティティのための恋愛は、社会人以降でも十分に起こり
得ることなのだと感じる。
(成年期以降の恋愛についてはほとんど研究データがないのでわからないが。)
「恋に恋している」
という言葉があるが、言い得て妙である。
「アイデンティティのために恋愛をしている」ことが原因のすべてとは
言わないが、大きな要因となるのではないかと感じる理論だった。
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初恋を美化しやすいのはどっち?初恋データベースにアクセスしてみた②
今回の記事も、自分の初恋相手のことを思い浮かべながら読み進めて
いただきたい。
先日紹介したライフネット生命の「初恋に関する調査」(2012)には、
続きがある。
前回書いたものでは、初恋の時期や相手、その惚れ方などに着目してきた。
今回は、「思い出となった」初恋について、人々はどのように考えている
のかを見ていきたい。
少し前に流行ったドラマ「あなたのことはそれほど」では、ハル演じる主人公
とその初恋の相手が再開し、そのままダブル不倫に陥るというものだった。
実際のところ、こんなことはどのぐらいありうるのだろうか。
初恋データから、読み取っていきたい。
注目すべきは、男と女でその考え方が異なる、ということ。
まずは、初恋相手に会いたいか?という問いに回答したデータがこちら。
再会したいと思う人の方が少数派のようだ。
男は4割、女は3割が会いたいと思っている。
これを、さらに年代別に区切ってみるとこんな感じ。
30代、40代の再会したい率が低くなるのは、結婚や子育て、仕事などで
多忙な年代だからだろうか。
記憶に新しい20代なら気持ちはわかるが、50代の数値が高いことは少し意外だ。
では、ここでいう「会いたい」人たちは、会ってどうしたいのだろうか。
その理由を男女別に出したデータから、男女別の差異を抽出してみた。
男と女でその差は歴然だ。
恋愛関係の有無はさておき、男の方が初恋相手との関係をの継続を望んでいる
ことがわかる。
特に、「当時好きだったことを告白したい」「連絡先を聞きたい」など、
今後恋愛に発展しううるアクションをしたいという願望が女よりも圧倒的に高い。
一方、女はというと、「相手の『ルックス』がどう変わったか見てみたいと、
関係性の継続よりも好奇心の方が先に立っているようである。
(ルックスが良くなっていればその後の関係もあるのだろうが)まずは現在の
姿のチェック、というところだろうか。
またわずかだが「成長した自分を見て欲しい」という項目も女の方が高い。
成長した(綺麗になった)自分を見せて、「惜しいことをした」と男
に後悔させたいだとか、そんな本音も垣間見えるのは、筆者自身が女だから
だろうか。
女は、「今の」初恋相手を見ようとしているのに対し、男は
「昔好きだったままの」初恋相手を現在に見ようとしている印象をうけた。
女の方が現実的で、男の方がロマンチックな感じがする。
一方で、初恋の相手と再会したくない理由としては、
「そこまで思い入れがない」というような回答が最も多かった。
余談だが、この調査では「初恋にまつわる思い出の曲」についても
リサーチしている。
このデータが2012年のものなので、当時の20代後半は今の30代前半ごろに
なっていると思う。
5年後ろ倒して見てもらえると、なんだか世代を感じて面白い。
「あなたのことはそれほど」では、ハル演じるミツが初恋相手の有島光軌に
のめり込んでいくが、この逆のパターンもまあまあありそうだ。
不倫ではなく恋愛関係に発展するケースもありそうだが、初恋相手との恋が
実る確率が3%だとすると、多くの人は、再会した相手にがっかりするか、
されるかをするのかもしれない。
この記事を書いていて、大学3年生の時に中学時代に好きだった人に
再会したときのことを思い出した。
人づてで連絡を取り合うようになり、ドキドキして会ったが、
当時の可愛らしい少年の面影は見る影もなく、エラが張り、馬面になっていた。
男の人の顔になったんでしょうね。
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初恋が〇〇〇〇だった人は、今も〇〇〇〇かも!?初恋データベースにアクセスしてみた①
今日の記事は、自分自身の初恋を思い出しながら読んでいただきたい。
今まで気づかなかった自分の特性に気づくことができるかもしれない。
2012年、ライフネット生命の調査で発表された「初恋に関する調査」では、
20歳~59歳の男女500名ずつ、1000名が自身の初恋について回答している。
まずは、私たちにはいつ初恋が訪れるのか。
初恋をした年齢で最も多かったのは小学校入学以前の27.7%。
初恋の平均年齢は10.4歳だったことがわかっている。
一方で東京都幼・小・中・高・心性教育研究会が2014年に出したデータによると、
初めて異性に興味や関心を持ち始めた時期は、女子が「小学校3年生以前」
(16.2%)で最も高く、ついで「小学校6年生」(14.5%)、「小学校5年生」
(14.3%)だった。
これに対して、男子は「小学校6年」(17.1%)、「中学校1年生」(16.6%)、
「中学校2年生」(14.7%)。(アンケート回答者は中学校3年生。)
また、ライフネット生命のデータでは、初恋の相手は75.3%が同級生であることが
挙げられた。
ここでは、興味深いのは職場の人が3.2%、身近ではない人物が2.7%いることだ。
成人してから初恋を経験する人は、実は3%しかいない。
和光大学の心理学者高坂康雅は、『恋愛心理学特論』(2016年、福村出版)の中で、
大学生を対象に初恋に関する調査を紹介しているが、大学生になると、
98%が初恋を経験していることが明らかになっていることからも、正確に近い
数値なのだろう。
では、初恋はどのようにして始まったのだろう。
「男は女より見た目から入ることが多い」というのは、恋愛市場やモテ界の定説
ではあるが、初恋に至ってはどうなのだろう。
ライフネット生命は、この点についてもしっかりデータを出してきている。
一目惚れのしやすさは、男女では歴然の差だ。
男が28.8%に対して、女は15.2%。
女が思っている以上に、男は子供の頃から見た目にシビアなのだろう。
小学生高学年の女子がスカートをはいたり可愛いものを持っていたり、
中学ぐらいで男に媚びた所作をする女を嫌うのは、
「男が見た目を重視している」ということを本能的に知っているからなのかも
しれない。
ちなみに、初恋が一目惚れだった人の62.7%は今でも惚れっぽい。
初恋が一目惚れでなかった人と比べると、16%もの差が開いていることがわかる。
初恋についてはこのようなデータが出ているが、初恋の人と結ばれる確率は、
果たしてどのぐらいなのだろう。
ライフネット生命によると、初恋の相手が配偶者又は婚約者となっているものは
1.0%、現在交際をしているものは0.2%、以前交際していたものは1.5%となる。
全部合わせても2.7%。
初恋が実るのは100人に3人、結婚まで至るのが100人に1人。
難儀なものである。
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