別れを切り出す時
「関係を修復しようと思ったし、大切にしたいと思ったしけれど、
結局彼は、私のこと何にも考えてないんだなと思ったから別れることにした。」
少し前に男と別れた友人O(29)が言っていた言葉。
他に好きな男が出来たわけでもなく、男が取り立ててひどいわけでもないのに、
女が別れを切り出すとき。
それは、「彼は自分のことを何も考えてない」と思った時なのだと思う。
女は、目に見える愛情表現を好む。彼氏のM(33)は、だからこそ目に見える
ような愛情をOに注いできたのだろう。
ただし、その注ぎ方にも二種類ある。
一つは、本当に相手のことを考えている場合。
相手が喜ぶちょうど良い按配で愛情を注ぐ。
基本的に、相手の意思を尊重する。
もう一つは、「自分がそうしたいからしているだけ」の場合。
会いたがったり、電話やLINEをしたがったりするし、「好きだよ」
などという愛情表現はするが、相手の都合を考えない。
女が都合が悪いからと難色を示すと、「だっていいじゃん、好きなんだから」
と言ってのけたりする。
本当に嫌がっているのに、「本当はして欲しいんでしょ?」と
勘違いをしている困ったケースだ。
Mっぽい(と思い込んでいる)女に対してSじみたセックスを強要し、
女が満足していると思い込む男と似ている。
多くの女はうんざりしている。
独り善がりな愛情表現は、次第に重くなり鬱陶しく感じるようになる。
どちらのタイプかは、相手がしてくれたことに対してお断りをした時の
反応でわかる。
相手の主張を受け入れるのが前者、我を通そうとするのが後者だ。
また、自分の話したことを覚えているかも見極めるのに有効だ。
Oの元彼は、残念ながら後者だったようだ。
押し付けがましい愛情に次第に疲れてしまったOは、少しずつMから距離を
置くようになり、最終的には別れてしまった。
Oから何度か話し合いをしようとしたが、全て「いいじゃん、好きなんだから」
の一言で返されてしまい、話し合うことすらできないことが辛かったと
言っていた。
今回のケースは、相手の主張を受け入れられるか、話を聞いてくれるかどうか、
という観点から、「この男は自分のやりたいことをやっていただけで、
私のことは全然考えてくれない」と思われてしまった。
しかし、女が「彼は自分のことを考えていない」と思う場面は
これだけではない。
逆に、何もしてくれないことに対して、同じように思うこともある。
自分がしてあげたいことをするのも大切だが、相手がして欲しいことについて、
お互い話ができるようになることはもっと大事。
男女関わらず、愛情の押し売りや不十分な愛情表現には、相手のおもいを
尊重していきたいところである。