キスの相性
近年、キスは様々な角度から研究が行われている。
ドイツの人類学者エイベスフェルト博士の研究によると、
世界の10%の人間は、一生の間に一度もキスをしないで生涯を終えるらしい。
また、2007年にアメリカのマーケティング会社であるギャラップ社が行った
調査では、男の59%、女の66%が最初のキスの段階で相性が合わないと感じ、
交際を断念した経験があったことがわかった。
見た目や性格も重要だが、キスの相性が合わないとカップルになることが
難しいようだ。
直接的味覚と言われるキス。実はキスをすることで、4つのことから相性が
合うかどうかを見ることができるという。
1. 恋愛の意思表示:キスという行為は、両者の恋愛の意思表示とその確認の
意味があると考えられている。
また、好きだという気持ちを表す他にも、キスが上手か下手かで、恋愛経験を
推察することもできる。
2. 親近感の増幅:キスをすると男のオキシトシンが上昇することが
わかっている。
オキシトシンは信頼感や親近感を増大し、性欲を掻き立てる役割をもつ
ホルモンだ。
男はキスをすると、相手の女に親しみがわき、より親密な関係になりたいと
思うようになる。
また、男の唾液に含まれるテストステロンを女に注入して、性欲を掻き
立てる効果もある。
この効き目はキスの時間に比例する。ただし、女はキスをすると
オキシトシンが減少し不安になりやすくなるため、男はケアをする
ことが必要だ。
3. HLAタイプの確認:キスをしている間は口がふさがれるため、
鼻呼吸となる。つまり相手の体臭を至近距離で直接嗅ぐことになるため、
嗅覚による判断がつきやすくなる。
以前、
という記事を書いたが、匂いでHLAタイプを嗅ぎわけると同時に、唾液に含まれる
HLA抗原体でも確認できる。
4. バクテリアの相性:キスをすることによって、お互いの口の中に存在する
バクテリアが交換され、相性を確認することができる。バクテリアが
交換されると、「免疫力がつくか、病気になるか」の2つの反応が起こり
やすくなる。
キスをした後に対象が悪くなった場合は、相手のバクテリアが合わなかった
ということ。
この異性とはこれ以上おつきあいをしない方が良いという身体からの
メッセージである。
一方、もっとキスをしたいという欲求が出た場合は、相性が良い捉えること
ができる。
バクテリアの交換がうまくいき、免疫力がアップした可能性がある。
以上のことから、キスから相手の異性との相性がわかる。
ちなみにキスは、相性がわかるということのほかに意外なメリットを
持っている。
ストレスホルモンが減少しリラックス状態になったり、健康になって長生きを
することもできるらしい。
『キスの科学−キスは寿命を延ばす』(坂本洋介)という本には、
「行ってきます」のキスを妻とする夫は、そうでない夫よりも5年長生き
できるという研究結果が報告されている。
キスとはなかなか、奥深い。