男はロマンチスト?恋愛結婚に対する認識が間違っていた件。恋愛に関する新しい概念~ロマンティック・マリッジ・イデオロギー~
筆者は、これまでの記事では、恋愛と結婚は別物だという考え方を
指示する立場をとってきた。
恋愛とセックスは結婚が前提となるという考え方、
「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」が崩壊することは、
恋愛とセックス、結婚は別物になることとイコールだと思っていたからだ。
ところが、ロマンティック・ラブ・イデオロギーは完全に
崩壊したのではなく、どうやらロマンティック・マリッジ・イデオロギー
という別の形に変わったようだ。
であるとすれば、マリッジイデオロギーは、恋愛が前提の結婚
(結婚は十分条件)だ。
似ているようで、両者の性質は全く違う。
マリッジイデオロギーは、言うなれば、「恋愛は結婚が前提ではないが、
結婚は恋愛が前提だ」という考え方である。
ここでは、恋愛は結婚に繋がらなくてもOKという考え方と、
捉えていただきたい。
2016年の数理社会学会で『ロマンティック・ラブ・イデオロギー再考』
という論文を発表した。
1990年代以降の恋愛観念がどのようになっていったのかを、
雑誌の恋愛特集記事の分析からアプローチをしたものである。
谷本らは、雑誌分析とその記事に使われている語彙分析から、
①恋愛は結婚につながるという意味でのロマンティック・ラブ・イデオロギー
が90年代以降指示されなくなっている。
②ただし、結婚には恋愛を求めるロマンティック・マリッジ・イデオロギー
がせり出してきているのではないか、という仮説を立てた。
その上で、ラブ・イデオロギーの賛否を「恋愛のゴールは結婚であるべきだ」、
マリッジ・イデオロギーの賛否を「結婚するには恋愛感情がなくてはいけない」
という質問項目を用意し、12007名にアンケートをとった。
なお、選択肢は賛成と反対のみで、どちらでもないという選択肢はなかった。
その結果がこちら。
年代別の表からわかるように、ロマンティック・ラブ・イデオロギーを
否定する人は50代よりも若い人たちに多いのがわかる。(青いグラフ)
逆に、60代はロマンティック・ラブ・イデオロギーを肯定する人が多い。
この世代はロマンティック・ラブ全盛の時代に20代だった人たち。
しかし、それ以降は結婚を目指さなくても恋愛ができるようになり、
当該イデオロギーは不支持とされることが増えた。
一方で、新しい概念とされるロマンティック・マリッジ・イデオロギーに
関してみてみると、新イデオロギーのみを肯定する人たちが34.4%と割合が
比較的高い。
年代別に見てみても、新イデオロギーを肯定する人は、50代以下の
人たちに多い。(オレンジのグラフ)
面白いのは、20代、30代の性別別の表だ。
若い層の男は、ロマンティック・ラブを否定しているわけではなく、
新旧両イデオロギーに賛成していることがわかる。「恋愛のゴールは結婚だ」
と考えた上で、「結婚するには恋愛感情がなくてはならない」と考える人が
多いということだ。
女に加えると、徹底的なロマンチストな男が多いのかもしれない。
しかし、女の方を見てみると、「結婚するには恋愛感情は必須」とするが、
「恋愛のゴールは結婚ではなくても良い」としている人が多い。
このことから、若い女にとって、恋愛は「結婚に至るための必須の道」ではなく、
「より良い相手を見つける機会」としての位置付けになっていることが推察される。
より良いパートナーを見つけるためにはその機会は多い方が良いが、
旧イデオロギー的な考え方では、自ずとその機会は少なってしまう。
ならば、恋愛と結婚で縛り付ける戦略から離脱する戦略を取る方が
好都合と言える。
こうして、若い女性は、ロマンティック・マリッジ・イデオロギーを支持し、
恋愛を統制から解放したのではないだろうか。(谷本)
ロマンティック・マリッジ・イデオロギーが、恋愛は「より良い相手を
見つけるための機会」であると捉えるならば、恋人の数によって支持数も
変わってくるのだろうか。
この図を見ると、男女ともにこれまで付き合ってきた人の数が多いほど、
新イデオロギーのみへの支持が多い。恋人が多い、つまり「恋愛に恵まれた人」
ほど新しいイデオロギーのみを支持する傾向が強いといえよう。
恋愛に恵まれた人たちにとって、良いパートナーを見つけるための機会は
多い方がよく、ロマンティック・ラブ・イデオロギー的な恋愛
(あらかじめ結婚が義務化されている恋愛)をしてしまうと、大きな機会損失
を招くこととなる。
だから、この人たちは新イデオロギーを支持し、自分たちの恋愛機会を増やそう
としているのかもしれない。
これらの結果を見ていると、ロマンティック・マリッジ・イデオロギーは
「モテる人」と「若い女」に支持されやすいことがわかった。
よく、「結婚したいと思うけど、恋愛しないと結婚できない」という人がいるが、
この人はまさに新イデオロギーの強烈な支持者なのだろう。
そして確かに、この言葉は男より女から聞くことが圧倒的に多い。
筆者はどちらかというと、両イデオロギー否定派になるが、20-30代の
層を見てみると両否定派は20%近くもいる。こちらもかなり興味深い、
両イデオロギー否定とは、言葉を変えると、「恋愛」と「結婚」は分離された
ものである、という考え方だろう。
旧イデオロギーに代わり新イデオロギーが台頭してきたのと同様に、はるか昔の
「恋愛と結婚を切り離す考え方」(宮廷的恋愛や騎士道的恋愛)も同じく注目
されている考え方なのかもしれない。
結婚や家族、夫婦の形態の変遷と同じく、恋愛観も多様な形を持ってきた、
ということなのだろう。
【1週間限定!!】
無料で「G.Wに使える!!~神楽坂デートスポット集~」をプレゼント♪
欲しい方は下のURLをクリックしてください♪
http://bit.ly/2m5jVPa
-----------------------------------------------------------------------------------
◆One-Timeデート◆
初めましての二人が「彼氏」「彼女」という設定で街を巡るデートイベント♡
次回は4月28日@中野
詳細ご希望の方は、以下のLINEアカウントの友達登録をお願いします。
https://line.me/R/ti/p/%40usn5554b