結婚は目的なのか。手段なのか。
2015年の出生動向基本調査では、平均初婚年齢差は、1.5歳だけ男が年上だ。
2010年のそれでは1.7歳男が年上だったので、
実際に結婚をしたカップルは同世代婚が継続して多いようだ。
一方で、実績ではなく希望ではどうだろう。
少しデータは古くなるが、興味深いデータがあったので紹介したい。
博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクトリーダーを務める荒川和久氏が、未婚男女の相手の希望年齢差の男女差を表した。
2010年の出生動向基本調査の独身調査で、「自分の希望結婚年齢」と「相手の希望結婚年齢」をマージしてまとめたものだ。
24歳～49歳の男女を5歳ごとのレンジに区切って、希望する年齢差を挙げている。
その結果がこちら。
女は全体平均1.06歳年上の男を求めるのに対し、男は平均して5.52歳年下の女を求める。
年代別に見ると、40代前半の男は8,56歳、40代後半の男は9.43歳年下の女を求めるようだ。
男は歳を重ねるごとに、若い女を求めるようだ。
一方、女は概ね自分より少し年上の男を求めているが、40代後半になると対象が年下になるのが面白い。
個体差はあるが、日本の場合は「男は5歳年下」「女は1歳年上」を求めるのが平均値のようだ。
改めて、最初に出した実績と照らし合わせて考えてみたい。
男女共ほぼ同世代で結婚しているということは、女の希望年齢に近い同年代婚が多い。
逆に返すと、いつまでも若い人を狙い続ける男は生涯独身となる可能性が高いということになる。
以下は、荒川氏が『超ソロ社会「独身大国・日本の衝撃」』で紹介しているサルの実験だ。
2005年アメリカのデューク大学プラッツ教授は、サルが、少量の果物を確実にもらえるAか、大量の果物かもしくはもらえない可能性のあるBのどちらを選ぶかを実験した。
すると、サルはどんなにBで果物がもらえる確率を下げても一貫してBを選び続けたという。
ところが、サルは「果物をもらえないリスク」を脳細胞で検知していたという。
つまり、サルはリスクを承知でBを選び続けたということになる。
この話は、結婚や恋人探しにも当てはまる。
例えば年齢。
結婚したいという中年男の目の前に、女が2人現れた。
この2人のうちどちらかで相手を決めなければ一生独身だとする。
1人は、外見はそうでもなく若くもない女A。もう1人は、誰もが羨む若くて可愛い女B。
Aは、中年男が望めば必ず結婚できるが、Bはライバルも多く結婚できる保証がない。
「何としても結婚したい」という場合、合理的に考えればAを選ぶだろう。
しかし、この中年男はBを選び、フラれる。
「一生独身」というリスクをしても、Bを選んでしまう。
お金だと冷静に判断できるのに、こと女となると、
確実な報酬よりもリスクを超えた大きな夢への誘惑に勝てなくなる。
一方で、確実な報酬であるAを選ばない男は、
結局「結婚する気がない」ということも言えるのではないか。
これは、そのまま女にも当てはまる。
年収1,000万円の男を狙うあまり、確実に結婚できる機会を逃しているかもしれない。
大事なことは、結婚は「目的」か「手段」かを自身で把握することだと考えている。
とにかく結婚したい、家庭を作りたい（結婚=目的）というのであれば、
リスクの低い相手を選べば良い。
結婚が手段だとするならば、敢えてその手段を選ばなくても良いのかもしれない。
例えば、結婚をする（手段）ことで「経済的な余裕を手に入れたい」（目的）のであれば、結婚をしなくても経済的な余裕を手に入れる方法は他にもある。
結婚をすることで子孫を残したいのであれば、今は結婚しなくても子供を残す方法もある。
結婚=目的の場合は少し異なるのかもしれないが、結婚=手段と考えているのであれば、本来の目的の実現のために視野を広げてみるのもまた１つである。
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