恋愛ウォッチャーが現場で見てきた恋愛模様から、『うまくいく恋』を分析するブログ

これまでに5,000組以上のマッチングをしてきた経験を持つ恋愛ウォッチャーのあんりさ。 幾多の男女の出会いを間近で見てきた筆者が、イマドキ男女の生態の違いや恋愛事情をお届け。

「恋人を欲しいと思わない」若者が増えている日本。そこから見えてくる、意外な社会的背景②

 

この記事は、「恋人を欲しいと思わない」若者が増えている日本。

そこから見えてくる、意外な社会的背景①の続きです。

 

 

前回、恋人を不要と考える若者たちを取り巻く社会的文化的背景には、

 

 

①「恋愛における男女不平等」への困惑を引き起こす、男女平等社会の弊害

 

②超高度情報化社会が引き起こす、恋愛の「既視感」

 

③バーチャルと現実の埋められない溝による「圏外感」

 

④リスク回避を第一とする、若者の「まじめ化」

 

 

 

 

の4つが関連しそうだと述べた。

 

 

 

①②については前回見てみたので、今回は③④を深ぼってみてみたい。



 

③バーチャルと現実の埋められない溝による「圏外感」

 

現代の若者は、メディアの影響により様々な恋愛シーンを疑似体験している。

ドラマや映画、漫画、アニメなどに共通するのは、恋愛の当事者は美男美女

であること。

 

おっさんやオタクを主人公にしたものも少なくはないが、ここで出てくる

おっさんもオタクも、現実世界とは異なりイケメン・かわいかったりする。

(メガネをとると美少女、とか、前髪をあげるとイケメン、みたいな

シチュエーションだ)

 

 

ところが、現実の自分は美男美女ではないし、周りにもそのような魅力的な

異性がたくさんいるわけではない。

 

ましてや、食パン加えて曲がり角で男の子とぶつかる、みたいな

シチュエーションはほぼないだろう。

 

 

 

和光大学の高坂は、

 

 

「美男美女が続出し、奇跡的な出会いやロマンティックなシチュエーション

が頻発するドラマやマンガの恋愛に多く触れていると、

自分はこのような素敵な恋愛が起こるような世界には入っていないという

感覚ー恋愛圏外感ーも生じていると考えられる。

 

そして、この恋愛圏外感が、若者に自分は恋愛に縁がない、素敵な出会いが

ないと思わせ、恋愛を諦めさせてしまうと考えられる。」

(「恋愛心理学特論」2016,福村出版)

 

 

と推察している。

 

 

高度情報化社会は、②の恋愛既視感や③の恋愛圏外感を抱かせ、恋愛への

意欲を低下させている可能性がある。

 

 

④リスク回避を第一とする、若者の「まじめ化」

 

前述の高坂は、4つ目の社会的な変化として、近年は若者の「まじめ化」

が指摘されるように、「青年のリスク回避志向の高まり」があると指摘する。

 

 

教育学の分野の研究結果では、

 

 

大学生については、アルバイトやボランティア活動、サークル活動にも

積極的に参加し、とにかくやれるものはなんでもやろうとする。

 

 

また、高校生の多くは、社会のルールや校則を守ることに肯定的で、ルールを

破ることをかっこいいと思う者は減少していることを示している。

 

 

(もしかしたら、不良は昔ほどモテないのかもしれない)

 

 

このような若者の「まじめ化」の背景には、バブル崩壊による長引く

経済不況やそれに伴う雇用情勢の不安定化、年金・医療などの将来に関する不安、

「自己責任」という言葉によって生じた社会不信などが挙げられる。

 

乗り遅れると大変なことになる時代や社会の中で、遅れをとらないために

真面目にならざるを得なかったと考えられている。

 

この点について、「ポストモラトリアム時代の若者たち」

(村澤ら、2012年、世界思想社)では、青年たちは漠然とした不安を

抱えながら、自分自身の未来をマネジメントしリスクを低減することに

忙殺されており、「果てなきリスク管理に忠実に従い、過剰なまでに

リスク社会に適応しようとする」と指摘している。

 

 

また、別の研究でも、現代青年は失敗をしないために、冒険をせず

与えられた課題だけをこなしていこうとするという指摘を受けている。

 

 

このような、真面目で、失敗やリスクを恐れ、遅れをとらないために

とりあえずなんでもやろうとする青年期、またその過ごし方を

「リスク回避型モラトリアム」というという。

 

 

リスク回避型の若者たちにとって、恋愛はリスクが高いものになる

ということも容易に想像がつくだろう。

 

 

そもそも恋愛は単純に楽しいだけのものではなく、多くのリスクやコストが

存在する。

 

  1. 好きな相手に告白をする際に生じる「フラれるリスク」
  2. 付き合った時に生じる「時間的・経済的・精神的コスト」
  3. 「別れるリスク」
  4. SNSの利用によって生じる「リア充と非難されるリスク」「個人情報の漏洩リスク」
  5. ストーカー、デートDV、リベンジポルノなどの「犯罪巻き込まれリスク」

 

などだ。

 

恋愛は、現実には多くのリスクやコストが存在する。そのため、リスクや

失敗を恐れるタイプの青年にとっては、恋愛はコスパが悪いと捉えられる

可能性がある。

 

 

以前、楽観予期型(恋人を欲しいと思わない若者は、どんなことを考えて

いるのか。その特徴は4つのタイプで説明できる。)の知人I(32・男)

はこう言っていた。

 

「今は特定の彼女はいらないんですよね。他の子とも遊べなくなるし、

コスパが悪いから。」

 

 

また、M(30・女)は、「早く結婚したい。将来のこととか不安だから。

恋愛よりも、そっちの方が大事かも」と言う。



 

以上のような社会的背景から、一部の人たちが恋愛を不要だと言う理由を

探ってみた。

 

 

昨今は、様々なタイプの恋愛シミュレーションゲームが流行っているが、

その理由も

 

恋愛を疑似体験でき、

恋愛の世界に参加でき(自分の選択に基づき、キャラクターが代わりに

動いてくれる。)、傷つかないからだ、と説明できそうである。

 

 

 

 

 

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次回は7月28日@池袋


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