恋愛エネルギー理論で、恋愛の疑問を解消する(2) 〇〇女が浮気をする率は男よりも高い!?20代の浮気と30代以降の浮気はこう違う!
※この記事は、恋愛エネルギー理論の総論をお読みいただいてから読むと、
より分かりやすくなります。
どこからが浮気か、というのは人によって定義が異なる。
辞書を引いてみると、
①男女間の愛情がうわついて変わりやすいこと。多情なこと。
他の異性に心を移すこと(広辞苑)
②配偶者・婚約者などがありながら、他の異性に気がひかれ、
関係をもつこと(大辞泉)
広辞苑は実際に「行動」の有無には言及していないのに対し、
大辞泉の方は「関係をもつこと」と、明言している。
どこからが浮気か問題は、男女差があったり、浮気をするのが自分なのか
相手なのかで変わることは、これまでの研究わかっている(菅原,2006)が、
「一般的には、キス以上の性的行為を行ったり、そのような性的行為を
することが推測されるような行動(「二人だけで一泊以上の旅行に行く」など)
を行うと、浮気と判断されやすいことが示されている。(高坂,2016)
以下のグラフは、相模ゴム社の調査結果だ。
結婚相手・交際相手がいる者のうち、「そのお相手以外にセックスする
相手はいますか」という問いに対して、
「特定ではないが、その相手以外ともセックスしている」
「複数の相手がいる」
「特定の相手が一名いる」のどれかに回答して者の割合の合計値である。
1万4100名を対象に行っている。
また、大学生の浮気については、横浜国立大学の船谷らが2006年に行った
調査では、男子の19.7%、女子の22.5%は浮気経験があるとしている。
また、2012年に行った別の調査では、恋愛経験のある大学生・短大生のうち、
男子の16.3%、女子の18.4%は浮気経験があることが明らかにされている(牧野)
一方、アメリカの調査では、生涯を通じて、男性の20-40%、女性の20-25%が
浮気(婚外性交)をすると報告されている。
さらに、アメリカの大規模調査General Social Surveyによると、既婚者のうち
30歳以下では浮気率は男より女の方が高く(男が約7-15%、女は約15-18%)、
30歳を越えると男の方が女よりも高くなる(男は約15-35%、女は約5-15%)
ということがわかっている。
先ほどの大学生の浮気実態の調査と合わせて見ても、女は若いと男よりも
浮気をする率が高くなることがわかる。
一般的に、浮気は男の方がしやすいと言われている。しかし、このような
データを見ると、年代や既婚・未婚、浮気の定義や質問の仕方によって男が
多かったり女が多かったりするため、一概に、男の方が浮気をするとは言い難い。
加藤司が書いた『離婚の心理学』(2009年、ナカニシヤ出版)では、
夫婦関係における浮気の原因をまとめている。
①個人の要因②夫婦関係・夫婦生活に大別される。原因ごとに見ていくと、
①個人の要因
・個人のパーソナリティ
・結婚前の交際状況
・結婚年齢
・虐待経験
・避妊しない
②夫婦関係・夫婦生活
・結婚生活への不満
・妊娠
・パートナーの浮気
があげられるという。これらはアメリカの研究結果を元にした知見であるため、
日本ではどこまで適用されるかは不明である。
また、高坂は『恋愛心理学特論』(2016年、福村出版)内で、アイデンティティ
が確立している30代以降の浮気と、アイデンティティが未確立な青年期の
浮気とでは、その動機やメカニズムが異なるのではないかと唱えている。
ここから、恋愛エネルギー理論を使い、浮気のメカニズムを解明していきたい。
◆アイデンティティが未確立である人の浮気(主に青年期)
「青年期の恋愛はエネルギーの奪い合いである」という高坂の仮説に立つと、
そのメカニズムが見えてくる。
アイデンティティが確立していない、青年期の恋愛の目的は「アイデンティティ
形成のための精神活動のエネルギーを恋人から得ることであり、恋人は最大の
エネルギー供給源となる。
このようなエネルギー源を持っているにもかかわらず浮気をする理由は、
恋人がエネルギー供給源になっていないから。
恋人が愛情表現をしてくれなかったり、自分に関心を持ってくれないなど、
恋人からエネルギーをもらっている実感がないときに、近くにエネルギーを
持っていそうな異性を見ると、つい近づいてしまう。
ただし、恋人がいずれ自分にエネルギーを与えてくれるかもしれないし、
その相手と恋愛関係になれるかどうかもわからないので、恋人とは別れずに
浮気関係を継続する。
見方を変えると、浮気されるのは、浮気をされた側が相手にエネルギーを
与えていないからだ。
もちろん、浮気をする側にも問題はあるが、浮気をされた側も相手との関わり
方を改めた方が良いだろう。
◆アイデンティティが確立している人の浮気(主に30代以降)
30代以降では、浮気のメカニズムが男女で違ってくる。
(男の場合)
アイデンティティが確立している30代以降は、自分でエネルギー補給をすること
ができるので、恋人(もしくは配偶者)がエネルギーをくれないから浮気をする
と理解するのは無理がある。
30代以降既婚男は、アイデンティティが確立し、仕事や家庭もある程度余裕が
出てくるため、エネルギーが有り余っている状態である。
そのエネルギーを趣味などに使えている場合は良いが、他に使う対象がない場合、
エネルギーの不十分な異性に自分のエネルギーを与えようとして浮気をする。
夫婦問題調査室によると、不倫・浮気経験のある30代男の理想の浮気相手の
年齢で最も多かっ他のは20代。同年代と合わせると92%になる。
このように、エネルギーの提供先として、同年代以下のアイデンティティの
形成が不十分で、自らのエネルギーを十分に賄えていない者を選ぼうとしている
ことが伺える。
(女の場合)
女の場合は、不倫・浮気経験のある30代女のりそうん浮気相手の年齢で最も
多かったのは同年代であり、次いで40代、50代と年上が続く。
また、実際に不倫中の20・30代女の相手の71%は年上だというデータが出ている。
このように、女は浮気・不倫の相手として年上を選択する傾向にある。
高坂はこの結果について、男女のアイデンティティ形成時によるエネルギーの
使い方の違いが関係しているという。
恋愛エネルギー理論の総論でも触れているが、アイデンティティの確立時期では、
男は相手に対してエネルギーを10%しか使わない。
そのぶん、十分にアイデンティティの問題に取り組み、解決したことにより、
確立後は自分にエネルギーをほとんど使うことなく、パートナーや子供に多くの
エネルギーを使うことができる。
対する女は、男と自分とに50%ずつ使う。自身のアイデンティティ確立と
相手との親密性の主題を同時に進行させるか、場合によっては相手を優先するため、
自身のアイデンティティの問題に十分に取り組まなかったため、30代以降に
なっても、度々その確立に取り組まなければならない。
そのため、精神活動のエネルギーが必要になるのだが、男は長く連れ添った
パートナーにエネルギーを向けることが少なくなるため、女はより年上の、
エネルギーの余っている男を求める。
恋愛エネルギー理論で、若い頃は女が浮気をしやすく、30代以降は男が浮気を
しやすいという恋愛現象も説明が可能になるということは、面白い。
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