恋愛ウォッチャーが現場で見てきた恋愛模様から、『うまくいく恋』を分析するブログ

これまでに5,000組以上のマッチングをしてきた経験を持つ恋愛ウォッチャーのあんりさ。 幾多の男女の出会いを間近で見てきた筆者が、イマドキ男女の生態の違いや恋愛事情をお届け。

気になる相手にアプローチする際の効果的な方法は、相手の〇〇〇〇〇を尊重することだった-行動編-

突然だが、この数値は何の数値かお分かりだろうか。

 

1970年代 4.92%(男4.92% 女約0%)

1990年代 19.05%(男19.05%、女19.63%)

2000年代 16.1%(男12.82%、女19.63%)

 

これは、雑誌コンテンツ全体の中で「異性の気をひくのに適するアプローチ」

に関するコンテンツの割合である。

 

社会学者谷本奈穂が、その著書『恋愛の社会学』(2008年、青弓社

で述べているデータだ。

 

谷本は、テキストマイニングの手法を使い、15歳~25歳をターゲットとした

雑誌について言語的なアプローチにより分析をしている。

 

谷本は、「かつては女性が男性にアプローチするのは「はしたない」

とされていたようで、一九七〇年代では、女性から男性のアプローチ

記事はほとんど見いだせない。」という。

 

 

さて、『恋愛の社会学』では、雑誌で取り沙汰された「男が女にアプローチ

をする際の有効な手段」の分析をしている。

 

今回は、「男が女にアプローチする際の有効な手段」の分析結果について

見ていきたい。

 

 

谷本は男性誌の分析だけではなく、女性誌についても分析をしているが、

内容には誌別の偏りがなかったとのこと。

 

1970年代と現代(1990年代、2000年代)でまとめると、このような記述があった。

(上から順で多かったもの。末尾に★が付いているものは、前のものと同率)

 

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現代の男からのアプローチにおいて、最も適していると言われているのは

「さりげない気遣いで好意をにおわせる」こと。

 

好きだと口説いたり直接的に愛情表現をするよりは、あくまでも

「さりげなく」好意を「におわせる」ことなのだ。

 

 

女に「この人私にことを好きなのかもしれない」と思わせれば、勝ちである。

 

確かに、直接的な表現をする男は女から警戒される。

 

女が「ガツガツしてて怖い」「必死すぎて引く」のは、不躾に好意を押し

付けてくる感じがするのである。

 

 

では、このような「さりげない気遣い」が好まれるのはなぜか。

 

同書で、谷本はその理由は大きく2つあると主張する。

 

①相手のテリトリーを尊重するという付き合い上の戦略に基づくものである。

「パーソナルスペース」というものがあるが、何も身体の距離や声の距離など、

物理的なものだけではない。

心理的なパーソナルスペース」なるものが存在する。

 

例えば、合コンなどで会った初対面の相手に、自分の性癖はいきなり

話さないだろう。

また、相手の性癖や身体上のコンプレックス、悩みなどに突っ込んだ

話をしたりすると嫌われる。

 

 

私たちは冒されたくないテリトリーを自分の周りに張り巡らせているので、

通常互いに距離を取ることで相手のテリトリーを尊重する戦略をとる。

 

アメリカの社会学者ゴフマンは、これを「相互行為儀礼」と呼ぶが

この一つとしてさりげなさが好まれるということだ。

ただし、この好意儀礼は男女の関係に限らず一般的なものだ。

 

②好意を示す方も示される方も「遊び(=余裕)」ができるから

「さりげない」行為は、うまくいかなかった時の逃げ道を作ることができる。

例えば、好意を示す方は相手に自分を拒絶された場合でも、その行動は

本当は単なる親切にすぎなかったと主張することで、自分のプライドが

傷つかなくてすむ。

 

また、示される方も「その行動を単なる親切だと思った」と主張することで、

はっきりした態度を取らずにすむ。

 

本来であれば断る場合でも、返事を曖昧にすることで相手に期待を持たせ、

キープすることもできる。

 

曖昧にすることで、相手に「逃げ道」を与えてあげるから、好意を示された

相手は心地が良いのだ。

 

例えば、LINEで「ご飯行きませんか?」というアプローチをする時に、

「昼でもいいよ」という言葉を付け足す。そうすると、相手はディナーは

行きたくないという場合でも、もっと軽いランチという逃げ道ができる。

 

逃げ道は、相手に逃げ道を用意して、テリトリーを尊重することなのだ。

この時に関係の構築を強制されていると思うと、「重い」と感じる。



また、さりげなく好意を示されると、お互いの気持ちが掴みにくく、

関係性の曖昧さは進む。

 

ここでその関係性に悩む人もいるが、そうなると積極的に関係の曖昧さを

楽しむ人もいる。(付き合う前が楽しいのは、まさにこのこと。)

 

このようにさりげないアプローチはお互いにとって都合が良いのだ。

つまり、さりげなさは「傷つきたくない」「はっきりさせたくない」の

逃げ道として戦略的に使われるだけではなく、積極的に楽しめる精神的遊び

(余裕部分)として利用されているのだ。

 

 

 

一方で、女からアプローチする場合はどうか。

 

 

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この場合の「好意をにおわせる」行動とは、例えば電車のつり革に掴まらず、

つり革につかまる彼の腕につかまるというさりげないタッチングや、

電話がかかってきた時に相手の名前を聞く前に彼の名前を当てるというような

「間接的告白」のことを指す。

 

 

女からのアプローチでも好意をにおわせる行動の人気が高い理由は、

一つは先に述べた相互行為儀礼に基づいたもの。もう一つは好意をに

おわせることでその関係を遊び(精神的余裕)のあるものにするためだ。



また、好意をにおわせるに類似したものとしては、「隙やきっかけをつくる」

というものがある。

 

これらは総じて、「相手がアプローチをしやすい状況をつくる」ということ

である。

 

前述の通り、女は自分からアプローチをするのがはしたないと言われた

時代があった。

 

それに呼応する形で、基本的には「最初のアクションは男から。それを

しやすくするのは女から」という今の形が出来上がったのだろう。

 

それを証明するかのように、谷本の調査では、アプローチ方法として、

 

[女]

相手が告白してくれるようにアプローチ 45%

待つ 35%

進んで告白 14%

 

[男]

相手が告白してくれるようにアプローチ 9%

待つ 11%

進んで告白 76%

 

と対照をなしていた。



ちなみに、個人的に気になるのは、思春期で「モテたい」と考えるこの

年代の男たちの雑誌にしては、2000年代に入ると急速に恋愛アプローチ

コンテンツが減っていることだ。

 

閲覧メディアがオンラインに変わったことも原因として挙げられるのかも

しれないが、ネット社会が成熟しているとは言えない2000年代。

 

男たちがメディアに求めているものが変わってきた、ということなのだろうか。

決して少なくはない若い男たちの恋愛リテラシーが低いと言われる所以は、

恋愛への知識提供がなかったことも影響しているのかもしれない。

 

 

 

 

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